毎日のように使うフライパンですが、多くの方が間違ったフライパンの洗い方をしています。
フライパンに使用されている素材によって、洗い方が違いますので正しいフライパンの洗い方・お手入れ方法を知り長持ちさせましょう。すぐに焦げ付く、くっつくようになる!というのは実はあなたの間違った洗い方が原因かもしれません。
フライパンはいろいろな素材からできています。その素材によって洗い方を変えなければならないのです。素材ごとの正しいフライパンの洗い方をご紹介します。
素材ごとの正しいフライパンの洗い方
フライパンは洗剤のテレビCMにも良く出てくるので、洗剤で洗う人が多いと思います。
しかし、何でもかんでもフライパンを洗剤で洗うのはNGです。きちんと素材ごとに適切な正しいフライパンの洗い方がありますので知っておきましょう。
フライパンの洗い方が分かりやすい動画がありました。テフロンと鉄フライパンのみですが、ざっくりとどう洗うと良いのかが短くまとまっています。
テフロン(フッ素樹脂)加工の洗い方
1番使用している人が多いのがテフロン加工のフライパンです。
まずは、利用者が多いテフロン加工(フッ素樹脂)のフライパンの正しい洗い方をまとめました。
ダイヤモンドコート、チタンコート、マーブルコートもテフロン加工のフライパンと同様の洗い方になります。
違いはありませんので、上記コーティングフライパンを使っている人もこちらを御覧ください。
- 使った後のフライパンは、汚れが冷めて固まる前に大まかにキッチンペーパーで拭き取きとる
- ある程度冷めてから(熱々はNG)、水で軽く汚れを落とす
- スポンジ(研磨剤入りはNG)に食器洗い用の食器用洗剤をつけて、優しく洗う
- しっかりとすすいだら、水分を拭き取って乾燥させましょう。
よくあるテフロン加工のフライパンの洗い方の間違いは下記です。
- 調理が終わったらすぐに水にかけ、洗い出す
- 柔らかいスポンジではなくタワシや金属タワシを使用する
熱々のフライパンに冷たい水をかけると温度差からテフロンコーティングが傷みます。
テフロンの劣化が早まり、フライパンが長持ちしませんので、必ずある程度冷やしてから洗いましょう。
またフライパンを洗う際に使用するスポンジは、『研磨剤なし』のものを選びましょう。
フライパン・食器洗いでおすすめのスポンジは、「ダスキンの台所用スポンジ 抗菌タイプ」。
片側に研磨剤が入っていますが、反対側の柔らかい方で洗えばコーティングも傷つきません。鍋のこびりついた汚れには研磨剤が大活躍しますよ
テフロンフライパンの洗い方以外にも長持ちさせるコツはありますので、詳しくはテフロン加工フライパンを確実に長持ちさせる方法をご覧ください。
テフロン加工フライパンが確実に長持ちする方法!寿命を劇的に伸ばす
鉄フライパンの洗い方
鉄のフライパンは、洗い方を間違えると焦げ付きやすくなってしまったり、錆びやすくなります。テフロンとは洗い方が違いますので、初めて鉄フライパンを使用する人は必ず正しい洗い方を理解してください。
- 調理後すぐにフライパン(熱いうちに)をたわしや硬めのスポンジ、ささらを使って汚れを落とす(洗剤の使用はNG)
- 油汚れの場合は、お湯を使うと汚れが落ちやすい
- 汚れを水やお湯で洗い流した後、水気を拭き取る
- 中火で加熱し水分を完全に飛ばす
- 仕上げに、薄く油をフライパン内面になじませる(油は多すぎると汚れとなってしまうので、少し表面が光るくらいで十分)
テフロンフライパンは使い捨てで一生涯使えないのが嫌で鉄フライパンの使用に切り替える人が多いです。
しかし、テフロン加工と鉄フライパンでは全く洗い方が異なりますので、要注意ですよ。
よくある鉄フライパンの洗い方の間違いは下記です。
- 洗剤を使って洗う
- 柔らかいスポンジで洗い汚れや焦げが落ちきっていない
- 水分を飛ばさないで片付けてしまう
特に鉄フライパン初心者の方に多い間違いが『食器用洗剤を使用して洗ってしまう』です。
洗剤で洗うと鉄フライパンの命といってもいい油分が流れ落ちてしまいます。
そうすると次に使うときに食材がくっついたり焦げ付いたりします。また保管中にサビが出てくる原因にもなりますので洗剤で洗うのはやめましょう
洗剤で洗わなくても鉄フライパンの場合は、タワシでゴシゴシと力強く洗えますので、綺麗になりますよ。
また洗い終わった後火にかけずそのまましまうのもNGです。
ふきんで拭き取っただけでは、見た目には水分が無いように見えますが、小さな水分が表面や内部に付いています。
その為かならず火にかけて水分を飛ばし、油を少量塗ってから片付けましょう。
ステンレスフライパンの洗い方
ステンレスのフライパンは見た目がおしゃれで、サビないというメリットがあります。アルミや鉄に比べると熱伝導性が低いので、熱くなるまでに時間がかかりますが、保温性や蓄熱性が高いという特徴があります。
コーティングされているものではないので、フッ素加工のフライパンとは洗い方が変わってきます。
- 調理後のフライパンは熱いうちにお湯で洗います。ステンレスは温度変化に強いので、少しくらい熱い状態の時に、水につけたとしても大丈夫です。
- 洗剤を使っても構いませんが、鉄のフライパンと同じように極力使わない方が良いでしょう。表面に傷ついてしまうので、柔らかめのスポンジを使うようにしましょう。
セラミックフライパンの洗い方
セラミックのフライパンは、アルミ製のフライパンにセラミックコーティングされたものになります。白くて食材の色が分かりやすくて、見た目もきれいですよね。フッ素樹脂コーティングよりも硬くて強いですが、金属のヘラやたわしなどでこすってしまうと、はがれてしまい、焦げ付きの原因となってしまいます。洗い方はフッ素加工のフライパンとほぼ同じです。
- フライパンが温かいうちに汚れを拭き取ってから、洗剤を付けて優しくスポンジで洗います。クレンザーや金属のたわしは、セラミックコーティングがはがれやすくなってしまうので使いません。
- 急激な温度変化はセラミックコーディングの場合も落ちやすくなるので、熱いうちに冷水につけないようにしましょう。
- 洗った後は、水分はきれいに拭き取っておきましょう。水気が表面に残っていると、水道水に含まれているカルキや塩素の成分が焦げ付きの原因になる場合もあるのです。
フライパンを洗うとき使うもの
フライパンを洗う時には、どのようなものを使うのが良いのでしょうか。フライパンの素材によって、洗う時のスポンジやたわしは使い分けた方が良いのです。
スポンジ
スポンジにもいろいろな種類があります。形やサイズもバラエティに富んでいて、自分の使いやすいものがあるという人もいるでしょう。フッ素加工のフライパンを洗う時には、研磨剤の入っていないような柔らかいスポンジがおすすめです。ウレタン、セルロースのものが良いでしょう。ナイロンの不織布でできているものは、基本的にはおすすめしません。
ウレタン
一般的な食器洗い用のスポンジに良く使用されているのがウレタンです。泡立ちも良く柔らかいのでコーティングが剥がれず安心して使うことができます。
セルロース
セルロースは天然繊維からできています。柔らかく、優しく洗えるエコ素材なのです。乾いた時には固くなりますが、濡らすと柔らかくなります。吸水性があるのでフライパンのコーティングや食器に傷をつける心配がありません。
ナイロンの不織布
ナイロンの不織布は、ごわごわと硬めにできています。こびりつきや焦げを落とす時には良いですが、フッ素樹脂ははがれやすくなってしまいます。よくあるのが、ウレタンのスポンジと2層や3層になっているものです。
中にはフッ素加工のフライパンにも使えるというものもありますが、良く確認してから使用するようにしましょう。
たわし
頑固な汚れを落とす時に使うたわし。鉄のフライパンを洗う時にはたわしを使いましょう。しかし、フッ素加工やセラミックのフライパンには、傷がついてしまう可能性があるので使ってはいけません。たわしにも素材の違いがあります。次のようなものです。
- 植物繊維(シュロ、パーム、サイザルなど)
- 金属(ステンレス)
- ナイロン(シート状の不織布)
昔からある亀の子たわしの形も良いですが、長めの柄がついていたり、持ち手がついていたりするものもあります。手が汚れにくく、力も入れやすいので使いやすいですよ。
焦げた時の落とし方
フライパンは気を付けて使っていても、どうしても焦げ付いてしまうことがあります。焦げ付いた時でもあきらめずに落とす方法がありますので、ご紹介します。
水を沸騰させてから放置する
- フライパンに焦げている部分が浸るまで水を入れて中火にする。
- 沸騰してからしばらくして火を止めます。一晩つけ置きをします。
- スポンジで洗うと、焦げがぽろぽろと取れます。
軽めの焦げの場合は、これだけでも取れる場合があります。フッ素加工のフライパンは、この方法がコーティングを傷付けずに済むので良いでしょう。
重曹を使う
水を沸騰させるだけでは落ちない場合は、重曹を使います。熱を加えることで二酸化炭素が発生して、しつこい汚れや焦げ付きを浮かせてくれます。
- 焦げているフライパンに水を張ります。
- 大さじ2杯程度の重曹を入れて、10分くらいぐつぐつと沸騰させます。
- 火を止めて数時間置き、汚れや焦げを浮かび上がらせます。
- お湯を捨ててスポンジやたわしなどで、焦げを取ります。
それでも取れない場合は、もう一度繰り返すか、クエン酸を重曹の半分くらい入れて同じように行うかしてみましょう。
汚れを洗剤やたわしでこする
鉄のフライパンに焦げ付きがある時には、まずはしっかりとしたたわしでゴシゴシとこすってみましょう。研磨剤やクレンザーを焦げ付いた部分にだけつけてこすっても良いでしょう。部分的だと、サンドぺーパーでこすっても大丈夫です。
ただし、クレンザーや洗剤で全体を洗ってしまうと、油膜がはがれてしまい使いにくくなってしまうので気を付けましょう。フッ素加工やセラミックのフライパンはコーティングがはがれてしまうので、この方法はおすすめできません。
フライパンの外側の焦げ付き
フライパンの外側や底の部分は、いつの間にか汚れや焦げがこびりついてしまっていませんか?料理をしている時についた油や調味料、料理を器に移す時にこぼれてしまったものなどが原因になっています。外側とはいえ、汚れていると気分は良くないですよね。
汚れが付いたら、その時にすぐ洗うようにして焦げ付かないように気を付けましょう。それでも焦げ付いてしまった時には、フライパンの内側と同じように汚れや焦げ付きを落としましょう。
たわしや洗剤でこする
フライパンの外側は、コーティングが剥がれるという心配も、油膜がなくなるという心配もないので、洗剤やクレンザーを使っても問題ありません。たわしや硬めのスポンジでゴシゴシとこすって洗いましょう。焦げ付きを取る専用の洗剤もあります。
ただ、研磨剤の入ったクレンザーやスポンジだと、傷がつくこともあります。それが気になる場合は、様子を見ながら行いましょう。
重曹を使う
たわしでこすっても汚れが取れない場合には、重曹を使います。
- フライパンが入るたらいのような大きめの耐熱容器を用意します。シンクに栓をして使っても良いでしょう。お湯を用意して重曹を溶かします。水1リットルに対して、大さじ2杯くらいの重曹が良いでしょう。
- その中にフライパンを1時間ほどつけ置きます。
- 温度が下がらないように、お湯を追加しながら行うと効果が高くなります。
- スポンジやヘラなどを使って、汚れをこすってみましょう。
フライパンを正しく洗って長持ちさせよう
フライパンの洗い方は正しく行っていましたか?もしかしたら、今までの使い方によってフライパンの寿命が縮まっていたのかもしれませんね。それぞれの素材によって、洗い方に違いがあります。正しいと思ってやっていたことが、間違っていたということもあるでしょう。
洗剤を使って洗うフッ素加工やセラミックのフライパンもあれば、ゴシゴシとお湯だけで洗うことが大切な鉄のフライパンもあります。長持ちさせるためには、それぞれの正しい洗い方は重要です。特に鉄やステンレスのフライパンは、上手に使えば一生ものにもなります。長く使えることは経済的ですし、愛着もわくので料理が楽しくなりますよ。
フライパンの洗い方へのよくある質問
- 洗剤を使ってフライパンを洗っても大丈夫ですか?
- テフロン加工のフライパンは洗剤を使って洗いましょう。
鉄フライパンは厳禁。
ステンレスフライパンも基本洗剤を使いません。参考:「正しいフライパンの洗い方」
- フライパンを洗うときのスポンジは何でもいいですか?
- テフロン加工のフライパンを洗うときに使用するスポンジは研磨剤が入っていないものを使用しましょう。
片面だけに研磨剤が入っている場合は、反対側の柔らかい面で洗うとフライパンが長持ちします。
鉄フライパンはたわしやささらを使用して洗う。
ステンレスは柔らかいスポンジで洗う。