食べ物の焦げでガンになるって本当なの?
多くの人が、「焦げた食べ物はガンになるよ!」と周りから言われたことがあるかと思います。
確かに焦げているものは、味も苦く、身体に良さそうなものではありませんよね。
しかし、焦げといっても、ご飯のおこげや餃子の羽根であれば好きな方も多いですし、そういった意味では「食べ物の焦げ」は日本文化のひとつなのかもしれません。
また、もし食べ物の焦げがガンになるのなら、フライパンや鍋を長年使うのも危険ということになります。
これからは、食べ物の焦げとガンがどのぐらい関係し、どの程度食べると危険なのかについて詳しく解説していきます。
焦げによるガンのリスクはそこまで気にする必要はない!?
そもそも料理で加熱する過程では、化学反応が起こり、ヘテロサイクリックアミンという物質が発生します。
その中でも魚や肉は、高温で調理すると発がん性のあるヘテロサイクリックアミンが発生するため、これが「食べ物の焦げ=ガンになる」といわれる原因となっています。
また、マウスを利用した動物実験では、実際に焦げとガンが関係していることが立証されているのも現状です。
ただしこれは身体の小さいマウスに、大量の発がん性のある物質を投与した場合なので、食べ物の焦げが危険というよりは、「どのぐらいの量の焦げを摂取するか」が重要なポイントとなってきます。
ガンに繋がる焦げの摂取量
人間が食べ物の焦げを食べてガンに繋がるのは、毎日焦げた部分だけを1トン分食べた場合に起こると言われています。
1トンといえば、身近なものでいうと水が入った2リットルのペットボトルの重さで約500本分に相当する量なので、それだけの焦げを食べるのはハッキリ言って不可能です。
よって、食べ物の焦げには発ガン性物質があるのは事実ですが、そこまで神経質になる必要はありません。
しかしそうは言っても、決して焦げは身体に良いものではないため、美味しく食べ物を食べるためにも焦げないように調理することが重要です。
食べ物が焦げてしまう原因とは?
そもそも食べ物が焦げてしまう原因は、以下のようなことが考えられます。
火加減が強すぎる
早く料理を済ませたいからとついつい強火にしてしまいがちですが、火加減は強すぎると食べ物に焦げが発生してしまいます。
これは当たり前のことではありますが、多くの人が火加減を調節し忘れて食べ物を焦がしてしまう傾向にあるので、強火になり過ぎないように注意しておきましょう。
特にIHであれば火加減をパッと見て分からないこともあるので、こまめに火加減を調節することが大切です。
油が少なすぎる
ヘルシーな料理には、油を使わないものもありますが、油は食材を焦げるのを防止して火を通すという料理では重要な役割を担っています。
火加減に注意しても焦げてしまうという方は、油が少なすぎる場合があるため、油を普段より多めに入れて調理してみましょう。
また、ヘルシー調理をしたい場合は、サラダ油よりも健康に良く脂肪になりにくいオリーブオイルを使うのがおすすめです。
傷んだフライパン・鍋を使っている/フライパンが薄い
フライパンや鍋の底が傷んでいると、調理の際に焦げやすくなります。
現在日本の家庭では主流のフッ素加工がされたフライパンは、定期的に買い換える必要があり、剥がれたままで調理していては料理も上手くいきません。
特にIH対応のフライパンや鍋は、層が薄くなっており、焦げが発生しやすいので、購入前には安全性を示す「SGマーク」がついているかどうかチェックすると良いでしょう。
アルミのフライパン・鍋底の変色は「焦げ」or「黒ずみ」どっちなの?
アルミのフライパンや鍋は、他の素材よりも表面が黒く変色していきますが、それは焦げているワケではなく、単なる黒ずみです。
アルミは、多くの野菜が当てはまるアルカリ性の食べ物を調理することで、水酸化アルミという物質によりミネラルを発生させます。
このことがフライパンが焦げて見える黒ずみの原因ですが、人間の身体には至って害はなく、ガンになる心配もありません。
また、黒ずみが発生したアルミのフライパンや鍋は、黒ずみが出来た場合、アルカリ性とは真逆の酸性の食べ物を調理すると元の色に戻すことが可能です。
まとめ
上記の通り、食べ物の焦げには、確かに発ガン物質が含まれているため、「焦げたものを食べるとガンになる」というのは間違いではありません。
しかし、ガンになる程の焦げを人間が食べられるかとなると、とても不可能ですので、そこまで心配する必要はないでしょう。
ただ、単なる食材の焦げは、食べて美味しいものではありませんので、焦げ付きにくいフライパン選びや調理法を見直して、焦げないように工夫しておくことが大切です。